『フィットネスビジネス』 No.53
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17March-April 2011 ◎ Fitness Business 53Japan地域の医療・介護ニーズに対応できるプレイヤーへ「新成長戦略」におけるフィットネスプレイヤーの役割News & Trends過日、社団法人スポーツ健康産業団体連合会が開催したシンポジウムにおいて、経済産業省商務情報政策局サービス産業課長、藤本康二氏が「新成長戦略としての医療周辺サービス産業の市場創出について」と題した基調講演を行った。地域においてフィットネスプレイヤーが独自の強みを活かして医療・介護ニーズに対応した新サービスを創り出し、そのほかのプレイヤーと連携しながら、生活者の身体づくり、健康づくりを支える役割を果たすことの重要性について述べた。地域の関係者と連携し、 新市場を創造する日本経済復活の切り札として、経済産業省(以下、経産省)は新成長戦略を策定している。そのなかで、民間事業者が医療・介護事業者と連携するなどして医療・介護周辺サービスの新たな市場を創りだしていくことを期待している。経産省は、具体的にどんな将来像を描き、民間事業者に何を期待しているのか。2011年3月3日、社団法人スポーツ健康産業団体連合会が開催した「第6回シンポジウム」の基調講演において、経産省商務情報政策局サービス産業課課長、藤本康二氏が語った「新成長戦略としての医療・周辺サービス産業の市場創出について」の要旨を紹介したい。藤本氏は医療/医療産業・介護/介護産業という、いわゆる計画経済下で推進されている枠の外にも、生活者が求める医療生活サービス/産業があることを指摘し、この保険が適用されない医療・介護周辺サービスについて、現在その成長をサポートするための議論を政府内で行っているという。ここでいう医療・介護周辺サービスとは、基本的には疾病予防やリハビリテーション、介護予防・通所介護、生活支援、コーディネイトといった、期限と効果がある程度はっきりしている分野のサービスを指している。フィットネスクラブやゴルフ場、テニスクラブ、ボウリング場などの民間事業者が病院や介護関連施設などの医療機関、介護機関などと違うよさは、楽しさの演出と快適な環境づくりができるところにある。地域において、医療機関や介護機関などと連携して先にあげた民間事業者の運営する施設で楽しく、また安全に疾病予防やリハビリテーション、介護予防などができるとなれば、ここには大きな市場機会が存在することになる。例えば、病院の医師からリハビリテーションや介護予防をすることを勧められたゴルフ好きの患者が、家から近いゴルフ練習場を紹介され、そこで「介護予防のためのゴルフスウィング」を楽しく行うといったことである。経産省は、こうした市場規模がおよそ1.7兆円あると試算している。ただ現在の問題点として藤本氏は、多くの民間事業者が生活者の医療・介護ニーズに対応する新しいサービスを開発し、その市場を創造していくことの可能性に気付いていないことを指摘している。つまり、今はまだ生活者のニーズと民間事業者のサービスとのミスマッチがあるといっているのだ。民間事業者が新時代の生活者の医療・介護ニーズに対応した楽しく快適なサービスを開発して、この問題点が解消していくとすれば、もうひとつの課題は地域の医療機関、介護機関、あるいは保険組合などの医療保健者などから送客を得るための連携をいかにいていくかということになろう。藤本氏は「地域の各プレイヤーがうまく連携して、それぞれのプレイヤーのよさを活かしたイノベイ注 目 の 動 きティブな身体づくり、健康づくりが面展開されていけば、新しい市場が創造されるだろう」と語る。また、同氏は「連携するプレイヤーとして民間のスポーツ・フィットネス事業者だけでなく商店街や商工会、口腔ケアなどの技術をもつ歯科医、メディカル事業者、給食のアウトソーサーなども想定している」としたうえで、「こうした現場に近いところにいる関係者のほうが新しいサービスをつくるのには向いている」とも語っている。さらに同氏は、不加価値の高い新しい医療・介護周辺サービスを評価する制度や標準(スタンダード)の必要性にも触れている。フィットネスクラブは、経産省が描くこうした新成長戦略における市場機会を得るために、まずは医療・介護周辺サービス分野において、地域に評価されるような実績をあげ、地域の各プレイヤーとよい関係性がつくれるようにリーダーシップを発揮していくことが求められよう。

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