『フィットネスビジネス』 No.53
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March-April 2011 ◎ Fitness Business 53752005年にオープンしたジム・スタジオ型フィットネスクラブJOYFIT甲府店。4年目を迎えた’09年9月に、健康温泉「炭酸泉の湯」を導入してリニューアルオープンすると、会員数がそれまでの約1.3倍に増加した。競合大型店との差別化を図るため 炭酸泉を導入2005年、ジム・スタジオ型、約400坪のフィットネスクラブとしてJOYFIT甲府店がFC店舗としてオープン。当初は同店付近には競合がなく、集客も順調に進んでいた。しかし、オープンから2年ほど経ったころ、プール・温浴を備えた大型の総合フィットネスクラブが相次いでオープンし、同クラブの会員数は次第に減少。’09年5月には、FCのオーナーが施設を手放すことになってしまった。経営権が株式会社ヴァーテックスに移り、集客のために特徴のある設備を入れることを検討。2階建て400坪と大きくはない施設のなかに新たに導入できるアイテムとして、当時、スパ施設などで取り入れられ始めて話題になっていた炭酸泉の温浴をつくることにした。「それまではシャワーだけだったので、温浴設備を増設しよういうことは当初から決まっていました。「お風呂+サウナ」の定番にすることも考えましたが、施設面積を考えると両方つくるのは難しく、また、普通のお風呂だけでは大規模な温浴を備えた競合店との差別化にはなりません。そこで、評判となり始めていた炭酸泉の温泉を導入することになりました」(小沢氏)特徴のある温浴設備の強化により 会員層が拡大、会員数も増加同店はそれまで30半ば〜40代の会員さまが多く、夜は混雑していたが昼間の利用が少ないことが課題となっていた。それが、炭酸泉を導入したことで、クチコミによるシニア層の会員さまが増え、朝から昼の利用が高まり、年齢層や利用時間などのバランスが理想形に近くなってきた。また、新規だけでなく、既存会員さまの利用率向上・満足度アップにもつながった。リニューアルに伴い、高齢者やフィットネスにも馴染みのない層にもわかりやすいよう、クラブ名の頭に「お風呂&フィットネス」というキャッチフレーズをつけた。「リニューアルオープンに際しては、チラシを配るほかは大きなキャンペーンなどは行っていません。温浴増設にあたり“スパ”というより“お風呂”といったほうが、誰にでもわかりやすく伝わると思い、看板・チラシにはあえて大きく“お風呂”と入れました。初心者や年配の方には“お風呂”の響きで敷居を下げ、さらに炭酸泉が健康にいいという話がクチコミで広まり、会員数も順調に増えていきました」(小沢氏)継続利用による効果を訴求 利用率が向上し、顧客が定着炭酸泉の施設は、既存の建物内のロッカーのあった場所に増設し、専用設備の設置や耐酸仕様の配管工事などイニシャルコストも多分に費やした。さらに、炭酸泉は常時炭酸ガスを注入するため、ランニングコストも月額10万円をくだらず、設置、維持には労力、コストとも比較的負担が大きい。大型の温浴施設では導入されているところもあるが、フィットネスクラブでは炭酸泉を導入しているクラブはまだ少ない。しかしそれでも「総合的に考えればプラスの要素が大きい」と小沢氏は言う。「継続的に炭酸泉に入浴すると美容・健康効果があるということで、楽しみながら頻繁に通ってくださるお客さまが非常に多くなりました。導入・ランニングによるコスト負担は大きいですが、それ以上にお客さまの反響を感じます。実は一度、炭酸による腐食のトラブルがあり、浴室の利用を止めての改修工事を行いました。社内でも炭酸泉の継続が検討されましたが、お客さまから『どうかなくさないでほしい』というお声をたくさんいただき、継続することとなりました」(小沢氏)「続けること」で効果が出るのは、炭酸泉、フィットネスとも同様であり、お客さまのモチベーションに相互作用をもたらし、利用率の向上、さらに定着率の向上にもつながっている。炭酸泉導入前の’09年時点では、クラブ経営は数年に渡りマイナスで推移していた。しかし、導入以降会員数は右肩上がりに転じ、1年で200名、導入2年目の現在は導入前より400名の増とV字回復を果たすことができ、ブレイクイーブンまではあと一息となっている。今後も同店では、「炭酸泉の効果の訴求」をひとつの軸とし、既存会員の定着をさらに強化するとともに、新たな顧客の獲得に力を注いでいく。HitItemJOYFIT×炭酸泉リニューアルで炭酸泉を導入し、会員数が1.3倍に増加株式会社ヴァーテックス REF事業部 スポーツ事業統括マネージャー 小沢悌介氏
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