『LIVE』 Vol.24
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008プロセスが「自分の走り」を極める。4×100mリレーの最終走者として日本男子トラック種目史上初の銅メダルをもたらした北京五輪から2年。朝原宣治さんは、現在、自らの主催するクラブで子供たちや後進の育成に情熱を注いでいる。走ることで私たちに勇気と感動を与えてくれたスプリンターが語る「自分に合った走り方」とは。取材・文:伊勢洋平日本陸上界のパイオニア朝原宣治インタビューNobuharu Asahara Interview段々とわかっていくことが走るモチベーションにつながる朝原さんは、中学時代ハンドボール部で、陸上を始めたのは高校時代からとうかがっています。引退までの長い競技生活の間、決まったコーチについて練習したわけではなく、自分自身で試行錯誤しながら、さまざまなトレーニングを実践されてきましたが、それは何かきっかけがあってのことなのでしょうか。「ハンドボール時代は、全国大会にも出場できたんですが、それで燃え尽きで『何でかな』と思って」その頃から、さまざまなトレーニングを?「そこまでの知識はなかったですが『こうじゃないかな』『ああじゃないかな』と、いろいろ試してみたのは高校の頃ですね。100m走って、競技としてはシンプルだけど難しいんです。最初はどこにポイントを置いたらいいのかがわからなくて。どういう力の入れ方、身体の使い方をすれば速く進むのか。走るという競技は、そこが段々と分かっていく競技なんですね。わかることがモチベーションになるんです。もちろん最初は勝ち負けが一番の関心ごとで、勝ったら嬉しいし負けたら悔しいのですが、エンド・ゲイニング(結果が全て)ではなくて『勝つためには自分がどうしたらいいのか』というプロセスが大切になるんです」五感を刺激し、身体の感覚を取り戻す朝原さんは、大学卒業後、選手としてドイツへ留学した経験もお持ちですが、日本と比較してトレーニングの違いはありましたか?「ドイツには跳躍種目のパートで参加てしまったというか、高校では別の競技をしようと思って陸上を始めたんです。ハンドボールをやっていた頃もチームのなかでは走るのが速かったですし、ジャンプ力もあったので、短距離や跳躍種目が向いてるなとは思っていました。ただ、高校の陸上部はホント自由な雰囲気の練習環境でね、団体種目から個人種目に変わったこともあって、自分の実力がどのくらいあるのか不安というか、最初から日本一になってやろうとかいう自信はなかったですよ。実際、試合に出ても半年くらいは大した記録も出ませんでしたし、そこしたのですが、当時からいろいろな道具を使ってトレーニングしていまして、多くの技術練習方法がそろっている国だなと思いました。今、僕は『NOBY トラック&フィールドクラブ』という陸上クラブで子供たちを指導しているんですが、そこで取り入れている『コオーディネーショントレーニング』というのもドイツで知ったものです」それはどのようなトレーニングですか?「クラブで行っているのは、徳島大学の荒木秀夫先生が、いろいろな人のコオーディネーション(協応性=身体の動きを使いこなす能力)を見て独自にアレンジしたものなのですが、僕がドイツでやっていたのは、技術練習ではなく、一度、走る前にわざと崩してから走ったりするもので、たとえば、腕を前や後ろに回しながら走ったりするんです。そうすると非常に走りにくい。走りの邪魔になる動作をすることで、じゃあ、邪魔にならないように走りましょうという、身体に『気付き』を与えるような練習でした。僕は何も知らすにドイツに行ったものだから、いきなり腕回しながら走らされて『なんやろ、この練習?』という感じで(笑)。他にも後ろ向きや横向きに走ったり、音楽に合わせながら身体を動かしたり。一見、走りに全く関係ないような動きを取り入れて、トータルに身体のバランスを整えたり、刺激を与えて反射を見るような練習です」感覚を刺激するんですね。「五感を刺激しながらのトレーニングは、ドイツでは結構やっていたんですよね。週に1回、必ず森に行ってジョギングしたり、乳酸を溜めて300m走るようなトレーニングも、トラックで走るのではなく、森のなだらかな傾斜を走るとか。練習自体は厳しいのであさはら・のぶはる★1996年のアトランタオリンピック以降、五輪出場4回、100mでは五輪と世界選手権を合わせて計5回の準決勝進出(アジア人唯一)を果たした日本陸上短距離界のパイオニア。日本人として初めて100m10秒0台を記録し、日本記録の更新は計3回。北京オリンピック男子400mリレーの銅メダリストとして有終の美を飾り引退。大阪ガス(株)陸上部コーチ。2010年4月より自身の主催する「NOBY T&F CLUB」で後進の育成にあたる。また、バレーボールの元全日本女子チーム監督・柳本晶一氏とともに競技種目を超えた「アスリートネットワーク」を設立し、各地でイベントを行うなど、スポーツ普及のための精力的な活動を行っている。朝原宣治さん(大阪ガス)PROFILE

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