『LIVE』 Vol.26
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魚のようなしなやかな 動きの秘密。フリーダイバー・篠宮龍三の足ヒレだけを使って潜り、その距離を競うフリーダイビング。呼吸ができない状態で行うため、体の使い方に無駄があるだけで、命を落としかねない競技でもある。そんな危険を伴うこの競技で、日本初のプロであり、アジア記録を持つ篠宮龍三さん。記録だけでなく、誰もが彼のフォームを美しいと称賛する。そこで彼の体作りについて伺った。取材・文:土原亜子 撮影:越川麻希miya 海といえば、波の音、風の音がして、太陽や青い空、白い砂浜などといった明るい光景を思い出すだろう。しかし、本当の海の底を知っているだろうか。酸素ボンベをつけず、一息で海の底へと潜り、距離を競うフリーダイビング。そこには、生身の体ひとつで感じる海の底がある。 篠宮龍三さんは、そんな世界を体感しているプロのフリーダイバーである。 2010年4月、バハマ。水深115メートルに達成し、アジア新記録をたたき出した。そのときのことを彼はブログにこう綴った。「不思議な1本でした。いままでに経験したことのない無音の世界で、また、思考も停止していたと思います。行こうか、戻ろうか、といった思いも浮かびませんでした。物理的にも心理的にも雑音や雑念のない、まさに音のない世界でした。いままで100メートルで〝無〞の世界を体験しているつもりでしたが、110メートルを超えたところの世界はもっとその先のもっと深い〝無〞の世界でした。自分の知っているつもりの世界はまだまだ浅かった。いったいこの先には何があるんだろうかと思いました」 水深約80メートルあたりで、太陽の光も消えるという。ただひたすらに真っ暗な海の底を「宇宙空間のようではないか」と彼はたとえた。しかし、宇宙空間に行った人間よりも、素潜りで水深100メートルを超えた人間のほうかはるかに少なく、現在までたった13人しかいないのである。 彼が「100メートル超え」をしたのは、2008年のことである。2009年4月には、水深105メートルに到達。同年12月には107メートルのアジア記録をマーク。この記録はこの競技界では「ジャック・マイヨール超え」といわれる。 ジャック・マイヨール。映画「グラン・ブルー」を観た人ならわかるが、観ていない、または、彼を知らないという人のために解説をしよう。 ジャック・マイヨール(1927-2001)はフランス人の天才フリーダイバーである。1976年、49歳で、人類史上初めて素潜りで100メートルを超える記録をつくった。彼の驚異的な潜水能力は、潜水生理学者の研究対象にもなった。そのひとつに、イルカやクジラにみられるような、大深度で血液が脳や心臓や肺に集中して生体を維持することが人間にもみられることを証明した。いわば、今までの人間の身体の可能性について常識をことごとく覆してきた伝説のダイバーである。同映画はジャックの自伝をもとにしたといわれており、世界中に彼の名を知らしめた作品である。 篠宮さんがフリーダイビングを始めたのも、この映画がきっかけであった。「子どものころから船乗りの父親の影響で海は身近でした。大学でスキューバダイビングを始めましたが、勝敗のないスキューバには何か物足りなさがあったのです」 そんなときに見たのが映画「グラン・ブルーだった」という。 篠宮さんは、大学を卒業して就職をしたものの、素潜りに取り憑かれた。5年後には勤務した会社を辞め、2004年にはフリーダイビングの日本人初のプロに転向。そしてその5年後の2009年、ジャック・マイヨールの です。」プロフリーダイバー篠宮龍三国内唯一のプロ選手として国際大会を中心に参戦中。著書「ブルー・ゾーン」(牧野出版)発売中。今年4月にバハマの国際大会に参戦予定。Q&AYogaTaikyokukenPilates07InterviewインタビューInterviewGoodsReebok018

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