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地面につけて〝立つ〞という感覚を身につけたから。意外にも、私たちは無意識のうち、地面に足の裏をちゃんとつけずに立っているんですよね」 バレエの基本的な立ち方である第一ポジションは、両足のかかとをつけ、脚の間が開かないようにして立つものだ。膝とつま先は同じ方向を向けなければならないため、足の付け根から股関節をしっかり外旋させなければならないが、このとき、かかとを中心に体重を支えるのではなく、親指から小指までしっかりとフロアにつけ、足の裏全体で体重を支える感覚が大切だ。こうしたポジションを繰り返し練習するうち、「足で地面に〝立つ〞」という、基本的な感覚を養える。「でも本当は、この第一ポジションを完璧にこなそうとするのは至難の業。これが正しくできれば、間違いなくプリマ(女性バレエダンサーの最高位)になれるでしょうね」と、末広さん。つまり、「何をもって踊れるとするか」と定義することはあまり意味がなく、自分のペースで進めていけばいいのである。取材・文:鈴木博子 撮影:長塚健撮影協力:チャコット・カルチャースタジオ 渋谷スタジオ 03-3476-1344美しく、しなやかな体と心へキレイな女性は、バレエに夢中!幼い頃憧れていたバレエに、大人になってから挑戦する女性も多いが、なぜ、いつの時代もバレエは女性たちを惹き付けてやまないのか? その理由を、歴史と理論の両面から探ってみた。お話を伺った方末広亜古さんAko Suehiro桜井勢以子バレエ研究所に入所。桜井勢以子、石田泰巳に師事。チャイコフスキー記念東京バレエ学校に入学。その後同バレエ団に入団し、鈴木滝夫、アベチエ、V.ロナなど著名な教師に師事。退団後、日本バレエ協会、神奈川県芸術舞踊協会等の公演にフリーとして出演。現在、舞台活動のかたわら後進の指導に従事する。バレエには「答え」がある エレガントな動きと優雅な仕草で、女性なら誰もが憧れるバレリーナ。現在では子どもから大人まで、さらには男性まで、バレエのレッスンに励む人が増えている。一体バレエの何が多くの人を惹き付けるのだろうか?「バレエは、非常に長い歴史があるダンス。数百年もの間、ヨーロッパからアジアまで国境を越えて広く愛されているのは、バレエにきちんと理論づけられた根拠があるからでしょうし、そうした背景がなければ、ここまで受け継がれることはなかったと思います」 そう語るのは、チャコット・カルチャースタジオの渋谷スタジオでバレエレッスンを担当する末広亜古さん。自身の経験に裏打ちされた、わかりやすく丁寧な指導には定評がある。 歴史を遡ると、バレエが生まれたのはルネサンス期のイタリアだ。一般に「バレエはイタリアで生まれ、フランスで育ち、ロシアで成人した」と言われるが、地域的な拡大を見せるなか、さまざまな振付家、ダンサー、作曲家のもとで発展を続け、今日に至っている。しかし、それだけ多くの人が関与してきたにもかかわらず、バレエの基礎はいつの時代も万国共通、シンプルだ。「大きく分けると、バレエにおいて手のポジションは4つ、足のポジションは5つしかありません。それらを組み合わせながら、プログラムを組むのが基本です」 末広さんがそう語るように、バレエの動きは決して複雑でも難解でもない。初心者クラスでは基本的な手の動かし方やステップの方法をしっかり学ぶ。その後、初級、中級、上級と進んでいくときも初心者クラスで習った基本が常にベースとなっている。「例えて言うなら、算数と同じです。私たちは、小学校で九九を習いますよね。そして、そのあとにかけ算や割り算を習います。かけ算も、最初は一桁や二桁の簡単なものからスタートし、その後に桁数を増やしてどんどん難しくなっていきます。でも、もとを辿ればそうした計算の基礎となるのは、小学校で習った九九。バレエもこれと同じ考え方なんです」 末広さんは「バレエには答えがある」と言う。できる、できないは別にしても、『こうあるべき』という理屈は、基礎を勉強した人なら誰でもわかる。だからこそ、明解に理論だててステップアップしていくことができるのだ。こうしたわかりやすさもバレエ人気の礎となっているのかもしれない。やがてバレエが日常の一部に 手の振りやステップなどの基礎を学んだら、次に進むのは実際にバレエらしいコンビネーションを踊るクラス。「クラスでは最初にバーレッスンを行って足や手の動きを確認します。その後、ストレッチで体をほぐして、最後にセンターレッスンを行います」と、末広さん。センターレッスンとはバーを離れ、フロアでダンスの振りを練習する、いわばバレエの醍醐味を味わうレッスンだ。しかし、子どもの頃からバレエをやっている人ならまだしも、大人になってから習い始めた人でもちゃんと踊ることができるのだろうか。「心配はいりません。クラスには60、「バレエを始める目的は人それぞれ。最初は『小さいとき、憧れていたから』『キレイな動きを身につけたいから』などの理由で始める方も多いのですが、長く続けていくと、次第に『バレエをすること』そのものが目的になってきます。例えるなら、ご飯を食べたり、眠ったりするのと一緒。バレエが日常の一部になるんです」 バレエのレッスンの前後はたいていの場合、「レヴェランス」と呼ばれる挨拶がある。これは、指導してくれた先生に対する謝意のほか、バレエを生み出し、継承してきた先人たちや、踊りの機会を提供してくれた周囲の人たち、さらに一緒に踊ってくれた仲間への感謝の表現でもある。同時に、日常とレッスンを明確に区分し、心身集中してレッスンに取り組み、そして、再び日常へ戻っていくための儀式でもある。意味のあるマナーが脈々と受け継がれていることも、バレエが長い歴史を擁しているからこそであり、そうした歴史が育む美しい仕草や踊りも、時代や国境を越えて、多くの人たちを惹き付けている大きな要因なのだろう。01070代の方もいらっしゃいますし、続ければ続けるほど、体は確実に変わっていきます」 実際、バレエを習い始めて「姿勢が良くなった」「代謝が上がった」「身長が伸びた」「便秘が治った」という声を聞くこともあり、なかには「ケガが少なくなった」という人も。「これは、しっかり足の裏を

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