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フィットネス業界のデータと経営ノウハウ

  • 2018年の日本のクラブ業界

  2018年の日本のクラブ業界を、『フィットネスビジネス』編集長が大胆に予測した。

【予測1】 総フィットネスクラブ軒数が5,000を越える


  経産省のデータでは、1998年末時点の民間フィットネスクラブ軒数は1,548軒だが、編集部が調べたところでは、約1,700軒。10年後の2008年末時点のクラブ軒数は3,269軒。これには女性専用サーキットトレーニングジムなどの小規模なものも含まれているが、およそ倍に増えている。しかし、ここからの10年間は同じようには増えないだろう。女性専用サーキットトレーニングジムと従来型の総合クラブは閉鎖するクラブが増えるだろう。一方、成果志向型のスモールジムや450坪以内のロープライスジム、600〜800坪などの中規模クラブで定着率の高い地域密着クラブが増えるだろう。総数は5,000は越えるだろうが、今の倍以上にはならないだろう。市場規模は大きくなる。その根拠は次の通りである。
(1)様々な生活者の求めるニーズに合致する業態のクラブができる。
(2)健康に関心が寄せられ、今以上に「フィットネスクラブ」の認知・浸透がぐんと進む。
(3)医療費増による健保財政の破綻とよく生きることへの意識の強まりから、「自分の身体は自分で守る」方向に動く。
(4)疾病(生活習慣病やアレルギー、偏頭痛、不眠、肩こり、腰痛など)率が上昇し、人々の“不健康”意識がはっきりと自覚されるにつれ、健康づくりに今以上の関心が寄せられる。
(5)現在の日本の民間フィットネスクラブへの参加率(クラブ会員数/総人口)は、欧米のそれに比べて低い。日本の参加率は、現時点で4%程度。欧米のそれは10%を越えている。アメリカの参加率が高いエリアでは30%近いところもある。このことは日本の参加率がまだまだ成長する可能性を示している。
(6)超高齢社会となっており、現在急増中の50歳以上の会員数の伸びに拍車がかかる。団塊ジュニアも40代後半となり、「新中年時代」を迎える。全会員の半数以上が50歳過ぎの会員ということになる。

【予測2】 会費はもっと安くなる


  日本経済の一層のデフレ化の進行とクラブ経営企業の投資効率と生産性を高める努力などがプライスダウン(フェアプライス化)に反映され、今以上に安くなる。世界的にみても現在の日本のクラブ会費は高い。現在の日本のクラブ会員が投じている年間総費用の平均値は平均年収の約1.5〜2%程度であるが、米国では1.0〜1.5%。アメリカ並みとまではいかなくとも、下がることは確実。その結果、1クラブあたりの会員数が増える。ただし、成果や顧客親密性にフォーカスしたクラブは、高い会費をつけることができる。

【予測3】 多様なスタイルのクラブが登場し、品質はぐんと高まる


  徐々に進み始めた各社毎の生き残り〜成長策の遂行が競争に拍車をかけ、各クラブの提供する施設とサービスの品質がぐんと高まる。様々な生活者のニーズにあった様々なクラブが登場することで、一層参加者が増える。
  例えば、次のようなフォーマットのクラブが登場する。
(1)ジム・スタジオ保有、延床面積150〜450坪、低料金のクラブ。プールを保有しない低投資型施設。
(2)大型低料金クラブ。機能重視。
(3)ミドルクラスのクラブ。月会費1.2万円〜1.6万円程度で、現在の大衆型クラブよりワンランク上の施設。
(4)成果志向型のスモールジム。月間客単価が3万円以上。
(5)ライフスタイル志向型のスモールスタジオ、アウトドアプログラムを提供するサークル型クラブ。
(6)マンションや企業、病院、学校付帯のクラブ(施設)。
(7)スクール型のクラブ。

【予測4】 民間のクラブ経営企業が公共フィットネス施設や公共健康サービス事業を肩代わりする


  公共フィットネス施設は、一部の施設―――過疎地の施設、障害者向きの施設、臨床データ収集のための施設、トップアスリート養成施設―――を除き存在理由を欠く。現存するほとんどの公共フィットネス施設が民業を圧迫しているか、民業の参入機会を封じているかしているばかりか、税金を無駄に使い過度な「赤字」状態となっている。「国・地方公共団体等は施設を控えるべき」との旨、FIAは既に通産大臣宛て要望書を提出しているが、これが受け入れられ、民間企業がそうした公共フィットネス施設の経営または運営、またはその両方を継承することになる。
  恐らく各地毎に実績に優れた民間クラブが継承することになる。ここでいう「実績」には、納税額の多さも含まれよう。

【予測5】 一大ホームヘルスフィットネスマーケットが誕生する


  医薬品やフィットネス機器、それに、ヘルス・フィットネスに関連する情報の入手が、簡易になる。家にいながらフィットネスクラブへも入会できたり、家でテレビを見ながらホームフィットネスが行えたり、また、気になるフィットネス器具や必要な薬がネットを通じて直接簡単に手に入れられるようになる。現在のところ、この「ホームヘルスフィットネスマーケット」は小規模だが、2018年にはクラブ業界やヘルスケア業界のリーディング企業などが入り乱れて、大きく膨らんだこのマーケットを取り合うことになる。